高田崇史氏の小説。代表作のシリーズ。
久々のQEDで、これは楽しみ。
今度の舞台は安曇野。そして日本に散らばる同様の名。
主人公はいつもの桑原崇と棚旗奈々。
したがって、安心の物語展開。
信州安曇の謂れが語られる。
話は、例の如く奈々の勤める薬局から始まる。二人が旅行に出かける先で起こる事件。小説としては、このシリーズが最も物語の進行が安定していると思う。(もっとも、忍者物が好きな私のおすすめのシリーズはカンナだ)
人物が織りなす推理小説部分と歴史のオーバーラップした描写。
必要以上に無愛想な桑原と彼のよくわからない歴史の説明を逆に嫌がりすぎる刑事と、まぁいつもの気になるポイントもそのままだが(笑)。
そして、これもよくあるが、(そこまで悲しい結末にせんで、もう少し良くしてくれてもいいのに・・)とは思った。
なお、この小説のポイントである歴史の謎に関する部分は、何度か他の本でも出てきた旧知の話であったので少し残念。
ただ、一人称の謎が解けた部分と滋賀県に残る様々な痕跡の話は面白かった。
またこのシリーズの続きが読みたい。