愉快な物語、面白い歴史、推理小説などのblog

どうせ見るなら・読むなら心から楽しくなる、未来が明るい物話がいい。そして時々コアな話も。そんな話を子どもたちや友人に紹介したい。司馬遼太郎と宮崎駿のファンが、そんなことを思いつつ好きな作品の感想などを述べてます。

2020-01-01から1年間の記事一覧

古事記異聞 オロチの郷、奥出雲

高田崇史氏の小説。 古事記異聞シリーズの第2巻。 今回は、「奥出雲」が舞台。 出雲の奥深さが徐々に明らかになっていく様子を、主人公の女子大生橘樹雅とともに追う。 前回、出雲に降り立った途端に事件に出くわしたように、今回も奥出雲に入った途端に事…

QED 憂曇華の時(うどんげのとき)

高田崇史氏の小説。代表作のシリーズ。 久々のQEDで、これは楽しみ。 今度の舞台は安曇野。そして日本に散らばる同様の名。 主人公はいつもの桑原崇と棚旗奈々。 したがって、安心の物語展開。 信州安曇の謂れが語られる。 話は、例の如く奈々の勤める薬局か…

古事記異聞 鬼棲む国、出雲

高田崇史氏の小説。 歴史と推理を合わせた物語を作られるので、その両方が好きな私にとって、全作読もうとしてる作者の一人。 「歴史は勝者が作って残すもの。だから敗者は悪役にされたり、記録から抹消されて、無かったことにされる。ただ、敗者の方に理が…

STAND BY ME ドラえもん2

封切り早々見に行ったので、今回は、この話を。 ドラえもんは、国民の多くが知っていて、そのストーリーを生かした作品で、子ども達だけでなく、大人がみても楽しい。 特にSTAND BY MEは、昭和の懐かしい情景や子供の頃、そして親の目線など、複眼的にそれぞ…

男の魅力について (司馬遼太郎が考えたこと2 より)

同書の中の『男の魅力』は、面白い短編だ。 別段、彼の代表作である『竜馬がゆく』や『燃えよ剣』、『国盗り物語』などに描かれた、坂本竜馬や土方歳三、織田信長などに直接触れているわけではない。 司馬さんや海音寺さんという偉大な歴史小説家が「本を書…

戦中と戦後について(司馬遼太郎が考えたこと 1より)

司馬さんのファンを自称する私は、作家としての成り立ちを知りたくて、若かりし頃の想いも綴られたであろう、この書を手に取った。 期待通り、”司馬節”はすでに随所に垣間見え、お題へのアプローチがうまく、読者をグイグイ引き込むその筆力は相当なものであ…

サラリーマンというもの(司馬遼太郎が考えたこと 1より)

司馬さんの小説を読んで、「良い世の中にしたい」と熱く思った学生は、長くサラリーマンであるつもりはなかったのだが、結局20年ほど俸禄生活者のままである。 『サラリーマンというもの』を考えたエッセイに、『この本を読んで下さる方へ』と『あるサラリ…

タヌキと妖怪(司馬遼太郎が考えたこと1 より)

関西に生まれた私は、柔らかな口調でおじさんが甥っ子に不思議な物語を聴かせるような、そんな司馬遼太郎の作品が若い頃から大好きだ。 その具合は、司馬さんは故人なので、私も人生の中でその残された珠玉の作品を全部読んでしまわないよう、ある時からゆっ…